今でもその経験を見込んで頂き、質問や意見を求められることがあります。
それは、人材採用に関わること。
前職では、様々な企業の人事に関わる仕事をしていました。
面接や履歴書の内容に関するアドバイスなど、企業にとって有益な人材を確保するにはどうしたら良いかを考えることです。
今回のブログでは、その時に得た経験から採用側と求職側、両方に対する助言を記していきます。
ご興味ある方は、参考にしてみてください。
まずは、採用側への助言。
最初によくお伝えすることは、一度の面接で相手のことを知ることは不可能だということ。
当然です。
面接という場では、求職側は採用されたいという気持ちがあるので、自分を作ってきますし、採用側も熱意や能力を見極めようと厳し目な目線になります。
そんな特殊な初対面で、如何程の判断材料を引き出すことができるのか?
相手が嘘の自分で対応してきているのだから難しいですよね?
これは、採用したい人材のタイプによって、質問や対応方法を変えるしかないです。
企業側が採用したい人材としては、大きく以下のようなタイプに分かれます。
・会社のために働いてくれる人(忠誠心がある人)
・とにかく能力が高い(専門的)
・ど素人でも長く続けてくれる人(人間性重視)
1.会社のために働いてくる人
前提として、そんな人間はいない。(極稀にいるでしょうが)
労使関係はドライなものです。
企業側が労働者の生活を保証できない以上、労働者側が企業のために働くということは難しい。
正直なところ、楽して儲けられるなら皆そこへ行くでしょう。
全てではありませんが、労働者はそういう考えを少なからずもっています。
それを頭に入れておきましょう。
その上でどうするか?
それは、必死なタイプ。
言い方が悪いですが、生活・仕事に困っている人間みたいに弱みがある人を見極めること。(例えばですが)
面接時に生活環境や家族関係の質問を多くすることで、結構な材料が出てくるかと思います。
また、一人暮らしなのか・既婚者なのか・親が健在かどうかも良い判断材料になるでしょう。
応対の雰囲気も、よく観察しなければいけません。
気持ちが先行して、たどたど応対している人は必死なタイプかも?
そういう性格は履歴書にも現れるので、そちらも参考にしてみましょう。
例えば、何の取り柄もないのに項目が埋まっている感じの履歴書ですね。
2.とにかく能力が高い
これは、職種によって内容が大きく変わるので、なかなか難しいです。
ただ、わかりやすく説明すると実技試験のようなものを取り入れるといいでしょう。
履歴書は盛られていることがありますし、習熟度を面接で判断するのは困難。
一例として私が勧めた試験方法は、語学力が必要な職種に対し、その言葉で面接を行うというもの。(成功例)
どのような試験にするかは職業によって違うので、現場の方と相談するとよいかと思います。そして可能であれば、面接には現場の方を参加させたほうがいいでしょう。
専門分野は採用後に仕事内容に関するトラブルが多いです。
仕事に必要なスキルや内容の説明は現場の方に説明してもらいましょう。
補足として、技術職の場合は人間性を多少犠牲にしても能力が高ければ採用したほうがいいです。
時として義理や恩を感じて、よく働いてくれる人材を採用できるかもしれません。
3.ど素人でも長く続けてくれる人
中小企業には、この考え方が多くみられますね。
仕事は教えていくから適度に頑張ってくれて、長く続けてくれるタイプを採用したいというケース。
この場合は、正直者を採用するといいでしょう。
先にも記しましたが、会社のために働く人間は少ないです。
そこをポイントに何のために働くかを質問してみましょう。
自分のために働くと答えた人は、長く続くかもしれません。
飾らないタイプや趣味に没頭しているタイプですね。
面接時、趣味に関する質問をして盛り上がるような人は、こういうタイプかもしれません。
上記のポイントは新卒・中途、どちらにも通じます。
ただし、昔からある日本企業の悪い風習。
企業側の「雇ってやっている」という横柄な考え方だと、この先を生き抜くのは厳しいでしょう。
また、従業員を欺くブラック企業のような考え方も同様。
悪事を責めるつもりはありませんが、従業員を対象にするのは得策とはいえません。
そういったことで従業員のやる気が削がれてしまえば、結果として損をするのは企業です。
どうせやるなら従業員のために、税金対策などで国を欺いていたほうが働き手としては嬉しいと思います。
いい人材を求める前に、いい会社であるかどうかを考えてみましょう。
残業代をチョロマカしている程度の会社に、有能な人材がいるわけないですよね。
次は、求職側の助言。
就職活動で重要になるものといえば、履歴書・職務経歴書・面接の3つ。
新卒の場合ですと、職務経歴書ではなくエントリーシートだったりしますが、今回は中途採用を基準として綴ります。
昨今ですと書類選考からの試験・面接というケースがほとんどです。
書類選考を突破しないと始まりません。
基本的な書式は、ネットで検索すれば出てきます。
一流な経歴や資格数が多い人は、一般的な記入方法で問題ないでしょうが、どうしても書くことが少ない人は悩むのではないでしょうか?
ここでは、要所で少しヒネった表現で少しでも魅力がでる、履歴書・職務経歴書の書き方をお伝えしたいと思います。
まずは、履歴書から。
1.書体について
手書きであるなら、文字は大きめに書きましょう。
文字が大きい方が目に留まります。
字がキレイでも小さくて読みづらいと思われては意味がありません。
履歴書を見る人の年齢なども意識しましょう。
2.証明写真
基本的にはスーツに黒髪という質素で清潔感のある身だしなみでしょう。
ただ、近年ですとデザイナーなどのクリエイティブ系は、その限りではないと思います。
むしろ少し洒落た感じの身なりの方が目に留まるかも知れません。
ただ、受け答えや言葉遣いには気を付けましょう。
3.連絡先
以前は、固定電話の番号でないとイメージが悪かったですが、昨今では携帯電話の番号でも問題ないでしょう。
ただ、固定電話の番号をお持ちなら、どちらも記入しておくべきです。
気を付けなければいけないのはメールアドレス。
時々「love」だとか、痛いメールアドレスを目にします。
記入する際には、自身のアドレス表記を今一度、読み返してみましょう。
4.学歴・職歴
当たり前ですが嘘はダメです。
空白の期間が無い方は、何も考えず素直に記入すればいいでしょう。
長い空白の期間がある方は、その期間にやっていたことを記入するのもありでしょう。
資格取得やスキルアップなどが、それにあたります。
また、バイト歴がある場合、それも記入するのもいいでしょう。
5.資格・免許
記入できるものが少ない、もしくは記入できるものが無い。
そういうことが気になる方は書式に囚われず、できることを記入するのもありです。
例えば扱えるソフト(Excel・Word・Illustrator・Photoshopなど)の習熟度など。
6.志望動機
正当な動機がある方(考えつく方)は、それだけを記入することをオススメします。
どうしても記入できないという方は、通勤距離(近くて通いやすい)や待遇面によるメリット(続けられそう)という点を記入してみては如何でしょうか?
奇策なので、成功するかは相手次第。
7.趣味・特技
テレビ・映画・音楽鑑賞や読書など、誰でも言えるような記入の仕方は避けたほうがいいでしょう。
そういった趣味を記入したい方は、もっと具体的に...例えばサスペンスドラマやジャズ、純文学といったように好きなジャンルに絞ることをオススメします。
極端に表現するな好きなアーティストや俳優さんの名前を記入しても問題ありません。
オタクであることも恥じることは無いです。
また、資格欄で紹介した扱えるソフトなどは、この欄で記入してもいいでしょう。
続いて職務経歴書。
基本的に書式は自由ですが、読みやすいことが重要です。
手書きよりはPC入力の方がいいでしょう。
用紙サイズはB5・A4・B4・A3を推奨。
両面印刷は避けましょう。(裏の文字が透けると読みづらいものです)
B4・A3を使用する場合は、半分に折れるような書式にしましょう。
記入する内容は、どのような職務を行っていたかはもちろんですが、その職務を遂行する上で気を付けていたことも記入すると良いでしょう。
例えば、ミスを出さないための対策や効率化に関する内容です。
記入内容が多い方は無理に文章にせず、箇条書きなども取り入れてみるのもいいかもしれません。
最後は面接。
圧倒的な上下関係と閉ざされた空間に緊張してしまう人も多いと思います。
ただ、心構えや考え方で少し解消できるかもしれません。
まず大前提として、面接で失敗しても殺されることはないということ。
(裏の業界ではわかりませんが)
そして、赤の他人と会話をするだけで上も下もありません。
面接とは会話です。
詰問ではありません。
予期しない質問は無理に即答せず、しっかり考えて答えていいのです。
入社するかどうかもわからない企業の人間に気を遣う必要はないと思います。
もちろん、最低限の言葉遣いは必要ですが...
過去の経験や話しを聞くと日常会話が上手な方は、あまり面接が苦にならないようですが、人見知りだったり表現に難がある方が苦手としているケースが多いです。
面接を苦手としている人も、経験(場数)で乗り越えることはできます。
準備に時間がある方は、様々な企業に応募して面接の練習をしてみるのもいいでしょう。
質問の傾向を知ることもできるので一石二鳥です。
必要ならボイスレコーダーを準備しておいてもいいでしょう。
また、先に説明した履歴書・職務経歴書の記入方法は、面接時の質問を誘導する意図があります。
伏線を回収するチャンスがあるかもしれませんので、答え方を準備しておきましょう。
伏線を回収するチャンスがあるかもしれませんので、答え方を準備しておきましょう。
最後に...
採用側への助言で記したことは、面接対策としても十分役に立ちます。
相手の考え方がわかれば、それを逆手に取り対策することも可能。
自分が応募する企業が、どのタイプに属するか予め考えておきましょう。
表現が良くないですが、手当たり次第に送って対応が早いところから順々に面接を受け、一つの内定を勝ち取れれば良しという感じです。
さて、長々と綴りましたが、この記事は以上になります。
最初に入社企業が生涯の勤め先になることは、ほとんどないと言っていいでしょう。
大部分の人が転職します。
企業側も同じで、一度は求人をすることがあるでしょう。
今回書いたことが、皆さんのお役に立てれば幸いです。
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